ロゴやブランドマーク、メタリック、蛍光色、色付きの紙や非塗工紙に刷るものなど、画面から店頭の棚まで色を変えずに届けたい場合はPantoneを選びます。写真、グラデーション、フルカラーの画像など、わずかな色の変化が目では分からないものにはCMYKを選びます。両方が必要な案件では、画像をCMYKで刷り、ロゴ用に特色(Pantone指定)を1~2色加えます。いずれの場合も、次にすべきことは同じです。印刷会社のICCプロファイルに合わせてソフト校正(モニター上での色校正)を行い、承認の前に色差ΔE(デルタE)を確認してください。
要点: Pantoneを使えば、ロゴ、メタリック、蛍光色などブランドにとって重要な要素や、非塗工紙・色付きの基材(印刷する紙やフィルムなど)への印刷でも、色を安定して正確に合わせられます。ただし、正確さを確保するには適切な記録と色校正(簡易校正または本機校正)が欠かせません。 CMYKは写真画像、グラデーション、大判グラフィックに適していますが、色域が狭いため、彩度の高いPantoneカラーやメタリックのPantoneカラーを正確に再現できないことが多く、特に変換時にその差が表れます。 ΔEを測定してPantoneのシミュレーションとCMYKの掛け合わせを比較すると、色合わせが許容範囲かどうかを判断できます。2以下は目では見分けられず、5を超えると目に見える色差とされます。 適切なワークフローとは、色の意図を早い段階で明示し、ICCプロファイルに合わせてソフト校正を行い、実物の色校正で承認し、詳細を記録することです。これにより、費用のかさむ刷り直しや色のばらつきを防げます。 PantoneからCMYKへの変換では、必ず色の情報が失われます。Pantoneの色相の大半はCMYKの色域の外にあり、特にメタリックと蛍光色はその傾向が強いため、最初の色選びと基材選びが何より重要になります。
目次
- PantoneとCMYK:本当の違いはどこにあるか
- CMYKの仕組み:網点、ドットゲイン、機器による色のずれ
- Pantoneの正体:フィルターではなく調色済みのインキ
- 色域と色差ΔE:CMYKでの色合わせを判断する方法
- PantoneとCMYKの使い分け:印刷でどちらを使うべきか
- 刷り直しを防ぐデータ作成と色校正のワークフロー
- パッケージメーカーが色について提供すべきもの
- ブランドカラーの一貫性がインキだけでは決まらない理由
- まったく異なる2種類のカラーシステムの成り立ち
- 特色印刷とプロセス印刷:技術的な違い
- PantoneからCMYKへの変換が完全にはうまくいかない理由
- CMYKでも再現しやすいPantoneカラーの選び方
- 照明によって変わる、承認した色の見え方
- パッケージにふさわしい色の再現性を
- この議論で見落とされていること
- 出典
- よくあるご質問
PantoneとCMYK:本当の違いはどこにあるか
両者が混同される原因は、突き詰めれば一つの言葉に行き着きます。一貫性です。CMYKは、4色のプロセスインキを微細な網点で掛け合わせ、何百万もの色相をその場で再現します。Pantoneはこの再現の工程を省き、ローラーに触れる前に正確な配合で調色済みの単一のインキを印刷機に渡します。この違いは小さく聞こえますが、化粧箱(組箱・トムソン箱)、貼り箱(ギフトボックス)、粘着ラベル(タックラベル)を3台の異なる印刷機で刷り、そのすべてでロゴの色を合わせようとすると、大きな差になります。CMYKでは、よく似た3通りの色になります。Pantoneを正しく運用すれば、3回とも同じ色になります。
一般論として、どちらかが「優れている」ということはありません。両者は異なる課題を解決するものであり、ほとんどのパッケージ案件では両方を同時に必要とします。本来は役割分担として考えるべき判断が二者択一として扱われがちなのは、まさにそのためです。
CMYKの仕組み:網点、ドットゲイン、機器による色のずれ
CMYKは減法混色の方式です。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインキは光を発するのではなく吸収し、目は微細な網点を混ぜ合わせて、連続した色として認識します。網点は決まった角度と大きさで配置(スクリーニング)され、印刷時に網点がどれだけ太るか(ドットゲイン)は、用紙の吸収性、インキの粘度、印刷速度によって変わります。
そのためCMYKはデバイス依存の方式とされます。同じデータでも、2台の印刷機、2種類の用紙、さらには同じオペレーターが担当する2回のシフトの間でも、目に見えて違う仕上がりになることがあります。だからこそ、版に進む前に期待と実際の仕上がりをすり合わせるために、ICCプロファイルとソフト校正があるのです。
製版(プリプレス)の担当者は、いくつかの標準的な管理方法でこのずれに対処しています。
- 総インキ量の上限。過剰な色の乗りや乾燥の遅れを防ぐため、一般に300%~340%程度に抑えます。
- リッチブラックの配合(100%のKの下にCMYを重ねる)。まだらのない深い黒を出すためのものです。
- スクリーン角度の調整。細かい柄でのモアレ(干渉縞)を防ぎます。
- 拡張色域印刷(CMYKOGやCMYKOGV。オレンジ、グリーン、場合によってはバイオレットを加える)。標準のCMYKでは届かない色相を再現します。
Pantoneの正体:フィルターではなく調色済みのインキ
Pantoneは、Pantone Matching System(PMS)の略称として使われることも多い、調色済みの特色インキのライブラリーで、各色に標準の配合と参照番号があります。デザイナーはPantone 186 Cを近似させるのではなく指定し、印刷会社は4色のプロセスカラーで再現するのではなく、そのとおりのインキを調色します。これが、Pantoneがうたう一貫性を支える仕組みのすべてです。つまり、デバイス依存の掛け合わせにつきまとう不確かさをなくすことです。
Pantoneの各色には、同じ基材の上でも異なる表れ方をする2種類の配合があります。
- コーテッド(C):光沢のある紙やコート紙向けの配合です。インキが表面にとどまるため、より明るく鮮やかに見えます。
- アンコーテッド(U):吸収性のある非塗工紙向けの配合です。インキがわずかに染み込むため、くすんだ温かみのある色に見えます。
特色インキには、CMYKでは物理的に不可能な表現もあります。本物のメタリック、蛍光色、そして彩度の高い赤・青・緑のいくつかは、完全にCMYKの色域の外にあります。Pantone Bridgeのガイドは、Pantoneのソリッドカラー各色を最も近いCMYKのシミュレーションに対応させたもので、変換の事前確認には役立ちます。ただし、そのシミュレーションが検査に合格する保証だとは決して考えないでください。
色域と色差ΔE:CMYKでの色合わせを判断する方法
色域とは、ある方式で再現できる色の範囲のことで、CMYKの範囲はPantoneの特色インキのライブラリーより狭くなります。Fujifilmの印刷チームによると、Pantoneカラーの半数以上が標準的なCMYKの色域から少なくとも部分的に外れており、そのまま変換しても、近い色にはなるものの同じ色にはならないことが多いとされています。ネオンカラー、ある種の彩度の高い青や赤、そしてすべてのメタリックは、4色のプロセスインキでまねできる範囲から明らかに外れています。
「十分に近い」かどうかの判断は、モニターを目を細めて眺めて決めるものではありません。印刷業界では、2色間の見た目の差を数値で表すΔE(デルタE)を使います。人の知覚に最も近い結果を得るには、CIEDE2000式で計算するのが理想とされています。
| ΔEの範囲 | 実務上の意味 |
|---|---|
| 2未満 | 一般に、人の目では見分けられない |
| 2~5 | わずかな差。並べると気づく場合がある |
| 5を超える | 明らかに目に見える色差。ブランドカラーとしては通常許容されない |
この尺度は形式的なものではなく、判断のための道具として使ってください。Pantone Bridgeのシミュレーションを確認し、実際の基材のICCプロファイルに合わせてデータをソフト校正し、ロゴやブランドマークでΔE 2を超えるものを承認する前には、本番の用紙で本機校正を依頼してください。メーカー独自の色のばらつき基準も同じ考え方に基づいています。合否を決めるのは目分量ではなく、測定された許容差です。
ワンポイント:合意したΔEの許容差は、メールの受信箱に残すだけでなく、生産指示書にも書き込んでおきましょう。6か月後に別の基材で再生産することになったとき、新しいロットの色を正しく保つ拠り所は、その数値だけです。
PantoneとCMYKの使い分け:印刷でどちらを使うべきか
案件に合った方式を選べば、費用を抑え、後から色のクレームが出るのを防げます。
- ロゴとブランドマーク。必ずPantoneです。あるSKUではやや暖色寄りに、別のSKUではやや寒色寄りに刷り直されたロゴは、ほぼどんなデザイン上の欠陥よりも早く、店頭での認知を損ないます。
- 複数の発注先で製造するパッケージ。Pantoneです。指定された配合は工場から工場へそのまま引き継がれますが、CMYKの掛け合わせのデータは完全には引き継がれません。
- メタリックと蛍光色。Pantoneです。これらは近似が難しいだけでなく、物理的にCMYKの色域の外にあります。
- 色付き、濃色、透明の基材への印刷。Pantoneです。一般に、不透明な白押さえ(白インキの下刷り)を併用します。CMYKは白い下地を前提としているため、白がなければ成り立ちません。
- 写真やグラデーションの多いレイアウト。CMYKです。写真には何百万もの階調にわたるなめらかな移り変わりが必要で、4色のプロセス印刷はまさにそのために作られた方式です。
- 小ロットのデジタル印刷(オンデマンド印刷)と大判グラフィック。CMYKです。特色インキには専用の版や印刷ユニットが必要になり、小ロットや大判では費用が見合わなくなります。
- それ以外のほとんどの場合。ハイブリッド方式です。高級パッケージの多くは、画像をCMYKで刷り、ブランドマーク用に1~2色の特色インキを加えます。5色印刷・6色印刷と呼ばれることもあるこの方法は、シート全体に特色インキの費用をかけずに最も重要な色を守れるため、商業印刷では今もよく使われる折衷案の一つです。
こうした判断の大半を左右するのは、費用とのトレードオフです。特色を使うと版が増え、印刷機の段取りも増え、多くの場合は最小ロットも大きくなるため、5色の案件は4色の案件より単価が高くなります。その割増は、ロゴのためなら見合っても、写真のためには見合いにくいものです。
刷り直しを防ぐデータ作成と色校正のワークフロー
色のトラブルは、どちらかの印刷方式の欠陥ではなく、ほとんどの場合、工程の遅すぎる段階で下された判断に原因があります。
- 色の意図は、データ作成の最後ではなく最初に明示してください。最初のレイアウトからCMYKで作成するか、カラーパレットでPantoneの特色スウォッチを明示的に指定します。仕上がったデータを最後の最後に変換すると、黒の不一致やブランドカラーのずれが生産に紛れ込みます。
- 実際の印刷会社のICCプロファイルに合わせてソフト校正してください。汎用のモニタープレビューでは代わりになりません。CMYKで刷る特色にはすべてPantone Bridgeのシミュレーションを確認し、その結果のΔEを計算して、合意した許容差と照らし合わせます。
- 本番の基材で、本機校正または簡易校正を依頼してください。画面は、たとえキャリブレーション済みでも、非塗工紙で色がどれだけくすむか、メタリックインキがどう光を反射するかを示せません。正しい解像度、インキ量の上限、適切なプロファイルを含むCMYKデータの適切な準備が、その色校正を飾りではなく意味のあるものにします。
- 承認の内容をすべて記録してください。誰が承認したか、どの校正データを承認したか、正確なインキの配合またはCMYKの掛け合わせ、そしてΔEの許容差を記録します。この記録があれば、「だいたい合っている」で済ませた刷り直しを二度と繰り返さずに済みます。
ワンポイント:色の記録帳は、プロジェクトごとではなくSKUごとにつけ続けましょう。ボトルのラベルと対になるギフトボックスが数か月の間隔を空けて製造される場合、揃ったセットになるか顧客のクレームになるかを分けるのは、その記録帳だけです。
入稿の前に毎回、ご自身の入稿データ作成のチェックリスト(英語)をこの手順と照らし合わせて確認すれば、色をめぐるトラブルの多くは、本機校正の段階に進む前に防げます。
パッケージメーカーが色について提供すべきもの
発注先が色の正確さをいくら約束しても、それを支える工程がなければ当てになりません。パッケージメーカーの中には、本記事でおすすめしているのと同じ手順、つまり基材に合わせた色校正、許容差の記録、量産前の正式な承認を軸に生産工程を組み立てているところもあります。豊富な経験と多数の納品実績がこの方法の有効性を裏付けており、その要は、色の判断を推測ではなく書面で行うことにあります。
パッケージの購買担当者が最低限求めるべきものは、次のとおりです。
- 汎用の色見本帳ではなく、実際の生産用の基材に合わせた色校正。
- 指定するすべてのPantoneカラーについて、コーテッドかアンコーテッドかの明確な選択。
- 印刷機のプロファイルの明示と、承認した色合わせについて記録されたΔEの測定値。
- ブランドにとって重要な色すべてについて、量産前に承認された本機校正。
これらの手順のどれか一つでも省くと、多くの場合、そこからSKU間や発注先間の色のばらつきが始まります。オリジナルラベル印刷でも、貼り箱を継続してご発注いただく場合でも、これらを最初から求めておくことが、初回から50回目の生産までブランドカラーを同じに保つ鍵になります。
ブランドカラーの一貫性がインキだけでは決まらない理由
印刷における「正確さ」には2通りの意味があり、この二つを混同することが、色のクレームの多くの原因です。一つ目は、印刷した色がある日の時点で基準色と一致しているかどうか。二つ目は、ブランドを本当に守るほうの意味で、その色がロットを重ねても、発注先が変わっても、年を経ても、同じ色を保ち続けるかどうかです。Pantoneは二つ目の課題のために作られました。番号で参照される調色済みの配合は、印刷オペレーターや印刷機が変わってもずれません。基準となるのはインキそのものであり、毎回4種類の成分から組み立て直すレシピではないからです。
CMYKは、ある日の時点では正確でも、一貫性で失敗することがあります。今日きちんとキャリブレーションされた印刷機でも、インキのロットが変わったり、基材のロットがわずかに変わったりすれば、来月には目に見えて違うシアンを刷ることがあります。これはCMYKの欠陥というより、構造的な限界です。その場で掛け合わせる4色の変動するインキは、一度だけ調色して既知の品質で出荷される1色のインキより、常に大きなばらつきを伴います。
単一SKUの販促物であれば、このばらつきが問題になることはまれです。しかし、複数の工場、複数の基材(化粧箱・貼り箱・粘着ラベル)、そして何年にもわたって追加注文が続くパッケージでは、きわめて大きな問題になります。ロゴの色をPantoneで指定した不変の値として扱い、新しい発注先のたびに、記録したΔEの許容差と照らして確認しているブランドこそ、箱が1月に作られたものでも、2年後に3回の追加生産を経て作られたものでも、店頭で同じ見え方を保てます。
まったく異なる2種類のカラーシステムの成り立ち
CMYKのルーツは、4色の活版印刷とオフセット印刷にあります。20世紀に商業印刷の規模が拡大するなかで、わずか4色分の印刷ユニットでフルカラー画像を経済的に再現するために発達しました。その発想は見事なものでした。写真のすべての色ごとに専用のインキを調色する代わりに、網点として重ねた4色の透明なプロセスインキで、何百万もの色相を再現できたのです。この経済性こそ、今日でも雑誌、写真集、あらゆるフルカラー画像でCMYKが主流である理由です。
Pantoneは、まったく別の課題から生まれました。1950年代に設立され、1963年にPantone Matching Systemとして体系化されたPantoneは、CMYKでは埋められない空白に応えるものでした。デザイナーはどうすれば正確な色を指定し、世界中のどの印刷会社でもそれを正確に再現できると保証できるのか、という課題です。その答えが、番号付きの調色済み特色インキの配合のライブラリーで、実物の色見本帳を通じて配布されました。こうして「Pantone 286 C」は、どの都市で刷っても同じ青を意味するようになりました。
両者が並行して発展したのは、そもそも同じ課題を解いていたわけではないからです。CMYKは、フルカラーの経済的な再現に最適化されました。Pantoneは、ブランドにとって重要な単一の色を、どこへ持っていっても正確に繰り返し再現できることに最適化されました。Pantone ConnectやColor Match Cardといった現代のツールは、もともとの色見本帳によるワークフローの一部をデジタル化し、デザイナーが実物のサンプルを取り込んで、電子的にPantoneの番号と照合できるようにしました。しかし、4種類の成分で再現するのではなく配合によって定義されたインキという根本の前提は、1963年から変わっていません。
特色印刷とプロセス印刷:技術的な違い
両者を最も明確に区別する方法は、それぞれの印刷ユニットが実際に何をしているかを見ることです。CMYKでは、すべての色相が4色の透明インキを計算して掛け合わせたもので、目をだましてベタの色に見せるほど小さな網点に分解されています。Pantoneの特色印刷では、1台の印刷ユニットが1色の不透明なベタ色を直接刷り、色相を作るための網点パターンは必要ありません。
この構造上の違いが、その後に続く実務上の違いのほとんどを説明します。特色インキには、本物のメタリックや蛍光色のように、CMYKに相当するものがない顔料を含めることができます。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの網点をどう組み合わせても、金属的な光沢は生まれないからです。また、特色インキは網点パターンのない均一なベタ色として刷られるため、細い文字やロゴの細い線は、CMYKの掛け合わせよりPantoneのほうがシャープに見えます。CMYKでは同じ細部が網点で構成され、小さなサイズでは途切れることがあるからです。
ただし、その精度には実際のコストがかかります。Pantoneの特色を使う印刷機には、使用する特色ごとに専用の印刷ユニットと、多くの場合は専用の版が必要になり、そのうえ案件で必要なCMYKのユニットもすべて要ります。5色の案件(プロセス4色+特色1色)は、単純な4色の案件より段取り費用が高くなり、その割増は特色を追加するたびに大きくなります。デザイナーがコストを重視する案件ではCMYKを、特定の1色の再現性が段取り費用を上回る価値を持つ案件ではPantoneを選ぶのは、まさにこの仕組みのためです。
PantoneからCMYKへの変換が完全にはうまくいかない理由
Pantoneのソリッドカラーを最も近いCMYKの掛け合わせに変換すると、色の情報の一部が失われます。そのまま置き換えられるわけではありません。その限界は、ソフトウェアの性能の問題ではなく構造的なものです。CMYKの4色のインキでは、調色済みの単一の顔料が出せるすべての色を再現できません。Fujifilmの分析によれば、そのためにPantoneカラーの半数以上が、標準的なCMYKの色域から少なくとも部分的に外れています。
最もはっきり失敗するのは、メタリックと蛍光色です。網点をどう組み合わせても、金箔やネオンピンクには見えません。これらの効果は、透明なプロセスインキにはない物理的な性質(反射性や蛍光性)に依存しているからです。しかし、ごく普通に見える色にも、変換しにくいものは数多くあります。特に、彩度の高い赤、深い青、そしてCMYKの色域三角形の端にある一部の緑です。
基材が問題をさらに複雑にします。Pantoneのコーテッドの配合は、インキが目止めされた光沢面にのることを前提とし、アンコーテッドの配合は、紙の繊維にある程度吸収されることを前提としています。どちらかを実際の基材を考慮せずにCMYKに変換すると、色域の違い、仕上がりの違い、インキの挙動の違いが一つの色校正の上にすべて重なり、基準の色見本とは似ても似つかない仕上がりになります。細かい柄やグラデーションは、三つ目の失敗要因になります。特定の角度での網点のスクリーニングは、目に見えるモアレ(干渉縞)を生じることがありますが、Pantoneのベタのインキではそれが起こりません。
CMYKでも再現しやすいPantoneカラーの選び方
ここでの最善の方法は難しいものではなく、決めた手順を守れるかどうかの問題です。印刷方式を選ぶ前にPantoneカラーを選び、どちらかに決める前に、そのCMYKでの再現性を確認してください。
最終的にCMYKで刷る可能性のある色は、すべてPantone Bridgeの参照から始めてください。Bridgeのシミュレーションが画面上でソリッドカラーに近く見えれば、その色はハイブリッド方式の候補になります。目に見えてくすんでいたりずれていたりすれば、その色は費用にかかわらず特色インキのままにすべきです。目視の判断だけに頼らず、ソリッドカラーとそのCMYKシミュレーションのΔEを計算し、ΔE 2を超える色は、ブランドマークではCMYK変換を承認すべきではない色として扱ってください。
基材の選択は、色そのものと同じくらい重要です。デジタルの色見本帳で見栄えがよいほうではなく、実際の生産用の用紙に合ったPantoneのコーテッドかアンコーテッドのバリエーションを選んでください。違うバリエーションを選ぶと、印刷の技術でどれだけ補っても修正できない、目に見える色のずれが生じます。そして、複数のSKUや発注先で色を安定させる必要がある場合は、CMYKの近似よりも迷わずPantoneを選び、変換による方法は、わずかな色の違いがブランドのリスクにならない単発の制作物に限ってください。
照明によって変わる、承認した色の見え方
ある光源の下で承認した色校正が、別の光源の下では違って見えることがあります。工程の中でも、これほど多くのデザイナーが不意を突かれる要素はほとんどありません。Pantoneの特色インキもCMYKの掛け合わせも影響を受けますが、その程度は同じではありません。Pantoneインキのメタリックや蛍光色は、昼光と暖色系の店舗照明の間で大きく変化します。一方、同じ色をCMYKで再現したものは、逆方向に変化することがあります。その見え方は単一の顔料ではなく、周囲の光と網点との相互作用に完全に左右されるからです。
だからこそ、プロの色の承認は、その日たまたま校正台の上にある電球の下ではなく、標準化された観察条件、一般にはD50またはD65の標準光源装置の下で行われます。標準光源の下で許容範囲のΔEに収まる色でも、店舗の棚の蛍光灯やブティックの暖色系のスポット照明の下では、ずれて見えることがあります。そのため、特定の売り場に並ぶパッケージは、実際に置かれる場所に近い照明の下で最終確認を行う価値があります。この手順を省くと、承認したはずの色校正が、数週間後に店頭で思わぬ色違いとして表れます。
パッケージにふさわしい色の再現性を
本記事のすべての原則は、同じ結論を指しています。ΔEを記録し、実物の色校正を伴って書面で下した色の判断は、画面上で下した判断に必ず勝るということです。それが、Yuan Packaging(羽安包装)が生産ロットごとに基準としている考え方です。ブランドの主力製品に合わせて正確なメタリックゴールドが求められる化粧品ラベルのロットでも、発注先間でPantoneの色が一度ずれるだけで店頭の棚ですぐに目立ってしまうワイン・蒸留酒ラベルのロットでも同じです。今後のパッケージで、工場、基材、追加注文をまたいで崩れないブランドカラーが必要でしたら、Yuan Packagingの製品一覧をご覧のうえ、推測ではなく、基材に合わせた色校正を前提にご相談ください。
この議論で見落とされていること
PantoneとCMYKをめぐる指針の多くは、これをブランドの純粋さか生産の経済性かという哲学的な選択として扱っていますが、実際には測定可能な答えのあるエンジニアリング上の判断です。ΔEは数値を与えてくれます。基材は制約を与えます。実際に色校正を行ってしまえば、どちらにも意見の入り込む余地はほとんどありません。
一般的な助言が足りないと私が思うのは、「ブランドカラーにはPantoneを使う」を議論の終わりとして扱っている点です。それは議論の始まりにすぎません。Pantone 286 Cを指定しても、承認した色校正がコーテッドかアンコーテッドか、どの印刷機のプロファイルで作られたか、実際にどのΔEの許容差で合意したかを誰も記録していなければ、何の意味もありません。私はこれまで、実際のインキの不具合よりも、記録の欠落から生じた色のトラブルを多く見てきました。
ここから一つだけ持ち帰っていただくなら、これです。見た目の好みを議論する前に、ΔEの数値と基材を確定した事実として扱ってください。色域に収まるかを確認せずにPantoneにこだわるデザイナーは、コストで賭けをしています。実際の基材でソフト校正をせずにCMYKを既定にする生産チームは、ブランドの一貫性で賭けをしています。どちらにも効く対策は同じ、地味な習慣です。色校正を取り、測定し、書き残すことです。
——Anthony
出典
- Pantone vs CMYK — PantoneToolsの解説記事
- What is Delta E and why is it important for color accuracy? — ViewSonic
- Pantone vs CMYK — Fujifilm Print US
よくあるご質問
印刷では、PantoneとCMYKをどう使い分ければよいですか?
ブランドにとって重要な色、メタリック、蛍光色、または色付きの基材や非塗工紙への印刷にはPantoneを使い、わずかな色の変化が目立たない写真、グラデーション、フルカラー画像にはCMYKを使います。
CMYKをPantoneカラーに合わせるには、どうすればよいですか?
Pantone Bridgeのガイドで最も近いCMYKのシミュレーションを確認し、印刷会社のICCプロファイルに合わせてソフト校正を行い、ΔEを計算します。2未満であれば一般に問題なく、5を超えると目に見える色差です。
一部のPantoneカラーが、CMYKでは不自然に見えたり再現しにくかったりするのはなぜですか?
メタリック、蛍光色、一部の彩度の高い青・赤・緑など、特定のPantoneのソリッドカラーは、標準的なCMYKの色域から少なくとも部分的に外れているため、4色のプロセスインキをどう組み合わせても完全には一致させられません。
デジタルの色管理ツールがある今、Pantoneは時代遅れですか?
いいえ。Pantone Connectのようなデジタルツールによって、デザイナーが色を取り込み、参照する方法は進化しました。しかし、配合で定義された調色済みの特色インキという中核の仕組みは、印刷機や発注先をまたいで正確で再現性のあるブランドカラーを保証するための標準であり続けています。